政府による携帯通信料金の引き下げ要求を受けて、最大手のNTTドコモが新しい料金プランを発表しました。当初、ドコモはKDDIやソフトバンクが実施している、サブブランドを活用した値下げを検討していたといわれます。しかし、サブブランドを用いた値下げについては、武田良太総務相が強く批判したことから、ドコモの動向が注目されていました。結局ドコモは政府の方針を受け入れ、サブブランドではなく、メインブランドで新しい料金体系を提示することになりました。

NTTドコモが新料金プラン「ahamo（アハモ）」を発表した（写真：REX/アフロ）

　新しい料金プラン「ahamo（アハモ）」は、料金が2980円となっており、月あたり20ギガバイトの利用が可能です。加えて、この料金には1回あたり5分以内の無料通話分も含まれており、5分以内であれば何回、電話をかけても通話料は無料です。新規契約事務手数料や機種変更手数料、さらには番号移転の手数料も無料ですから、従来の料金体系と比べるとかなりお得なプランといってよいでしょう。 　一方で、このプランは基本的にすべての手続きがネット経由となっており、ドコモショップなど店舗でのサポートは受けられません。店舗におけるコストを省くことで、安い料金を実現したわけです。 　ahamoは、スマホに詳しく、設定などをすべて自力で出来る、ヘビーユーザーにとっては極めて魅力的なプランといってよいでしょう。一方で、ショップでのサポートを期待して大手の通信会社を利用しているという顧客も、高齢者を中心に少なくありません。こうした顧客層は、新しい料金プランに魅力を感じるとは限りませんから、場合によっては、新料金プランへのシフトは限定的となる可能性もあります。 　今回、ドコモがメインブランドでの大幅な値下げを実現したことから、KDDIやソフトバンクも、サブブランドの値下げだけで済ませることは難しくなってきました。各社が追随すれば、少なくともスマホに詳しい人にとっては、料金は大幅に下がることになりそうです。 　しかしながら、大半の利用者が新プランに移行しない場合には、全体的にはそれほど通信料金が下がらないという事態になります。この時、政府がさらなる料金引き下げを業界に迫れるのかは何ともいえません。まずは、新プランの契約者がどの程度の人数になるのか業界関係者は注目しています。 （The Capital Tribune Japan）