東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(2020年3月30日撮影)
東京オリンピック(五輪)・パラリンピックが来夏に延期されたことに伴う追加経費の分担を大会組織委員会、東京都、国が話し合う3者会談が4日、都内で始まった。組織委の森喜朗会長、武藤敏郎事務総長と小池百合子都知事、橋本聖子五輪相が一堂に会し、分担額で合意した。 追加経費は総額1710億円程度。組織委が760億円程度(予備費270億円を合わせると1030億円程度)、都が800億円程度、国が150億円程度を負担する。予備費を含めると総額は1980億円程度となる。 新型コロナウイルス対策費は960億円程度。都が400億円程度、国が560億円程度を分担する。 延期によって発生する合計の追加費用は2670億円程度(予備費を含めると2940億円程度)となった。 合意後、森会長が前日3日夜に国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長と電話会談したことを明かし「IOCは延期決定後、追加で得た協賛金に対してロイヤルティーを求めない。それによって支援する、とおっしゃてくれた。IOCがこうした決定をすることは、かつてないことだ。事態の重要性に鑑みて決断してくれた」と述べた。 そのロイヤルティーについては武藤事務総長が「7・5%とはいえ、持っていかれるのは納得いかない部分があり『今回に限り免除していただけないか』と交渉した。結果、だいぶ時間はかかったけれど、バッハ会長のご決断で放棄してもらえる、免除してもらえることになった。金額の多寡ではなくIOCの気持ちが重要だと思っている」と語り、森会長も「IOC理事会の中でかなり異論があったと聞いた。十数時間かけて説得したそうだ。まあ話半分にしても、相当の交渉をしていただいた」と重ねて、IOCを動かした成果を示した。 3000億円に迫る費用が国民、都民の共感を得られるか? との問いには、森会長が「明日の皆さんの報道次第だ。多いといえば多いし、それっぽっちかと言えばそれっぽっち。以前もコップの中身を半分飲んだ時に、もう半分しかないと思うか、まだ半分も残っていると喜ぶか、主観による。ただ、今回の費用分担には理屈がついている。コロナは国が全面的に、延期については組織委と都が。ぜひ、皆さまのご理解いただきたいと思っております」と呼び掛けた。【三須一紀、木下淳、平山連】
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