お笑いコンビ「ラーメンズ」の小林賢太郎(左)と片桐仁
お笑いグループ「ラーメンズ」として活躍し、近年は舞台を拠点に新しい形の笑いを追求してきたコント師・小林賢太郎(47)が11月16日をもって芸能活動から引退したと1日、所属事務所が発表した。小林も自身の公式サイトを更新。「実はですね、表舞台での活動は2020で引退だなって、4、5年前から決めてたんです。予告しなかったのは、千秋楽まで常温で楽しんでもらいたかったから。いつもいろいろ事後報告ですいません」と胸中を告白。足の“持病”も一因だったといい「実は足が悪くてですね、ちゃんと手術もして日常生活に支障はないのですが、身体を限界まで追い込むステージパフォーマンスとなると無理が出てきていました」と打ち明けた。 所属事務所によると、2019年頃から20年末をもって表舞台から引退したいという相談が小林からあり「容易に認めがたく」引き留めたが、「本人の強い希望」により引退の運びに。今後は執筆活動などの裏方に回る。2009年の第17回公演「TOWER」を最後に遠ざかっていたラーメンズ本公演(舞台)の再開は叶わず。待ち続けたファンに「深くお詫び申し上げます」と謝罪した。 小林は「肩書きから『パフォーマー』をはずしました」と題した文章をアップ。「実はですね、表舞台での活動は2020年で引退だなって、4、5年前から決めてたんです。予告しなかったのは、千秋楽まで常温で楽しんでもらいたかったから。いつもいろいろ事後報告ですいません」と切り出し「47歳。まだまだ動けるだろう、って思いますよね。僕だって現役を終えたばかりのアスリートに会ったら言っちゃいそうだもの。実は足が悪くてですね、ちゃんと手術もして日常生活に支障はないのですが、身体を限界まで追い込むステージパフォーマンスとなると無理が出てきていました。ハードルを下げるくらいなら、やらない方がいい。なんて、それらしいことを言ってますけど、理由はこれだけではなくて、様々な経緯をふまえ自分で判断したことです」と打ち明けた。 「もし世界ツアー『ポツネン氏の奇妙で平凡な隠居生活』とかラーメンズ最新公演『美大じじい』とかを期待していた人がいたらごめんなさいね」とファンに謝り「作り手と演じ手の仕事量の比率は9:1くらいでした。そんな中途半端で下手くそな僕の演技を、客席から面白がってくれた方々には、本当に感謝しています。笑ってくれてありがとう」と感謝した。 相方・片桐仁(47)は「『がんばって~』と、変なマスクをつけて言ってました。面白かったです」といい、仕事場は以前のプライベートなアトリエに戻り「環境はシンプルに。創作の世界は無限に。そんな気持ちで今日もまた鉛筆を握ります。目の前には真っ白な原稿用紙、真っ白なキャンバス、真っ白なスケジュール帳。なんか視界が広いですよ」を前を向いた。 「ラーメンズ」は1996年に多摩美術大学版画科の同級生だった2人が結成。99年に始まったNHK「爆笑オンエアバトル」に出演。“片桐”という謎の生物について講義を繰り広げる「現代片桐概論」など、シュールなネタで知名度を上げた。 98年から17回を重ねた本公演(舞台)は毎回、チケット入手困難。47都道府県を題材にした「不思議の国のニポン」(第15回公演「ALICE」)に代表されるような言葉遊びや知的センスあふれるコントをはじめ、時にミステリーがかり、時に手品のようなトリックもある数々のネタは、シンプルな舞台美術とモノトーンの衣装&裸足というスタイリッシュなビジュアルも重なり、唯一無二の世界観と存在感。テレビにほとんど出演しない分、カリスマ的な人気を誇った。 第17回公演「TOWER」以降、小林はソロ公演「POTSUNEN」シリーズや演劇プロデュース公演「KKP」シリーズなど、精力的に活動。その作風は「アート」と称され、欧州など海外からも高く評価される。片桐は俳優としてTBS日曜劇場「99・9―刑事専門弁護士―」などテレビドラマや舞台に引く手あまたとなった。
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