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近畿日本ツーリスト、旅行店舗を3分の2閉鎖へ 希望退職も募集

”アバター接客”の拡充も予定

店舗を3分の2削減する(TSR撮影)

 「近畿日本ツーリスト」などを展開する大手旅行会社のKNT-CTホールディングス(株)(TSR企業コード: 290042437、新宿区、東証1部)は11月11日、全国138店舗の個人向け旅行店舗を来年3月末までに3分の1に縮小すると発表した。  コロナ禍で旅行のWeb販売比率が高まっており、旅行店舗の閉鎖を進める意向だ。クラブツーリズム事業の拡大など収益性の高い分野に事業を集中する。2021年1月から希望退職者を募集することも発表した。  未定だった2021年3月期(連結)の純利益は170億円の赤字に転落する見通し。海外旅行や訪日旅行を中止したほか、5月末まで国内の募集型企画旅行の催行を取りやめたことなど新型コロナの影響が甚大だった。  2021年3月期通期(連結)業績予想は、売上高1400億円(前年比63.7%減)、営業利益250億円の赤字(前年16億800万円の赤字)、純利益170億円の赤字(同74億4300万円の赤字)と大幅な減収、赤字が拡大する。  KNT-CTは、団体旅行についての計画も発表。ビジネス、教育旅行、町内会の親睦旅行など団体でのプランをフルライン・フルスペックでの営業を提案してきたが、親睦旅行など一般団体旅行の事業を縮小するという。一方で、趣味やレジャー性向に応じた個人旅行事業の「クラブツーリズム」を強化し、“団体”から“個人”への顧客誘導を図っていく。  同社では、コロナ禍を経て団体での旅行需要は大幅に低下すると予測。そのため、友人、家族など個人単位での国内旅行の需要喚起を急ぐ。  さらに、個人客については、店舗数を削減する一方で、ウェブやコールセンター機能の拡充を図る。アバターによるオンライン接客や端末を使った営業形態へ移行。とくに、従来店頭でTV電話システムを活用して行ってきた旅の専門家によるアドバイザリーサービス「旅のコンシェルジュ」を新たに Web 上で展開するなどリモート接客による収益化を目指す。  同日発表した2020年4-9月(連結)の売上高は158億6500万円(前年同期比92.6%減)、営業利益231億7900万円の赤字(前年同期33億7300万円の黒字)、純利益168億4600万円の赤字(同33億7300万円の黒字)だった。

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