コロナ禍に海外選手を招く五輪競技は国内初、内村は偽陽性の不完全調整も大技成功
内村航平【写真:Getty Images】
東京五輪を来年に控える中、日本、ロシア、中国、米国による体操の国際大会「Friendship and Solidarity competition」が8日、東京・国立代々木競技場で行われた。コロナ禍で入国制限が設けられて以降、五輪競技では国内に海外選手を招く初の大会。男子で2016年リオ五輪個人総合&団体金メダルの内村航平(リンガーハット)は、オンライン会見で大会を振り返った。 【動画】内村航平&羽生結弦、どっちの方が回る? 体操レジェンドの伝説的演技とは…くるくると回る両者を比較した実際の動画 国際体操連盟が主催し、日本、ロシア、中国が男女各4人、米国は男女各3人の計30人が出場する団体戦。国と男女が混合となり、15人1チームで「Friendship(友情)」と「Solidarity(絆)」に分かれた。約2000人の観客が入場。検温、消毒など徹底した感染対策が講じられ、来夏の東京五輪に向けた試金石とされている。 大会を終えた内村はオンライン会見で「久々に代々木第一体育館でできるのは4年ぶり。戻ってきた感じというのと、コロナ禍の世の中のことでいろんなことがまざっている。いつもと違う感じで演技ができた。こういう形式でやるのもないので凄く楽しかった」と感想を吐露。さらにこう続けた。 「さっきのスピーチが僕の本音が全て出ていた。五輪に向けてこの試合がいいモデルケースになったと思う。他の競技の選手にも情報を共有できる。参考にすると思うので、国際大会を有観客でできたのは意味がある大会だと思う。あとは本当に国民の皆さんの支持が上がればと思います」 閉会式では選手団を代表してスピーチ。「ウイルスが拡大して国民の皆さんの中で五輪ができないと思っている人が80%を超えていると知って残念。できないではなく、どうやったらできるかを皆さんで考えて、そういう方向に考え方を変えてほしい」と国民に協力を訴えていた。
H難度の大技成功も貪欲「まだまだ完成度は満足できない」
東京五輪を見据え、今年に入って両肩痛などの影響で種目別の鉄棒に専念。この日は全選手の中で一番手で迎えた跳馬をミスなく着地すると、両腕で力強くガッツポーズを決めて14.500点をマークした。鉄棒では、東京五輪への切り札となるH難度の大技「ブレトシュナイダー(コバチ2回ひねり)」に成功。15.200の高得点でこの日一番の拍手を浴び、右拳を突き上げて応えた。 床運動は13.200点、鞍馬は13.300点。エントリーした4種目を終え、絆チームの勝利に貢献し「鉄棒以外はもうね、置いといて(笑)。鉄棒は会場の雰囲気と点数が凄くよかった。僕としてはもう少しいい出来が出せると思う。完成度は満足できていない。ブレトシュナイダーも繋げたけどもう少しいい位置でできる。練習でやったことが出せないのは経験が足りない。着地も止め切れていないので、まだまだ完成度は満足できない。今日は、点数は気にしていないですが」とした。 10月28日のPCR検査で陽性が確認された末、複数回の再検査で偽陽性に。2日間の隔離で練習ができないなどイレギュラーな調整を強いられたが、見事な演技で観客を魅了した。
THE ANSWER編集部
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