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【オリックス】引退会見で涙…山崎勝己 幼なじみの巨人・中島へ「運命に感謝」

引退会見で涙を浮かべた山崎勝己

 今季限りで現役を引退するオリックス・山崎勝己捕手(38)が6日、京セラドーム内で会見を行った。  日本ハムとの試合前に会見を行った背番号62。いつもジョークでチームメートや報道陣を和ませる根っからの関西人が突然、目に涙を浮かべて言葉を詰まらせた。思い出に残る試合を問われ、2014年オフに米大リーグ・アスレチックスからFAでオリックスへ入団した、幼なじみの巨人・中島とプレーできたことを挙げた場面だ。  「たくさんあるんですけど、ひとついうなら、オリックスで幼なじみの中島とプレーできたことですね」。その後、言葉が続かず、目には光るものがあふれた。しばらくの沈黙の後「連絡入れて、残念がってましたけど…。僕が決めたことなんで、お疲れさん、と言ってもらいました」。言葉を詰まらせながら、親友への思いをにじませた。  兵庫・伊丹市の少年野球チームで投手・中島とバッテリーを組んだ。まだ幼かった少年同士。プロで再び、同じユニホームを着られるとは思いもしなかった。「本当に幼なじみで、幼稚園から一緒にいたので、今でも普通の友達なんですけど、同じチームでやれたというのは本当に、キセキに近いことだと思うので、この運命というか、巡り合わせには感謝です」。そんな盟友に、自身の願いも伝えた。「本当にずっと一緒にやってきたんで、1年でも長くやってもらいたいっていうのは伝えました」  冒頭では入団からお世話になった“3球団”への感謝を言葉にした。「プロ野球生活のスタートラインに立たせていただいた福岡ダイエーホークス」「1軍の試合でたくさん起用していただき、日本一の経験までさせていただいた福岡ソフトバンクホークス」「この歳まで選手として在籍させていただき、たくさんの思い出、経験、仲間たちを授けて下さったオリックスバファローズ」。各球団の監督、コーチ、関係者、そしてファンに向け「本当にありがとうございました」とさわやかな笑みを浮かべた。  引退理由としては「こんだけお世話になっているオリックスに何の貢献もできなかったですし、何より戦力になれてないっていうのがですね。もういいんじゃないかっていう気持ちになったのが一番」と、今季途中出場の1試合のみに終わった現状を冷静に見つめた。それでも「入った時に、数多くの諸先輩方と一緒にプレーさせていただいて、こんな世界でやっていけないなっていう気持ちを持って、本当に練習、試合と一生懸命やってきたんですけど、その準備をしなくていい、しなくてよくなったという気持ちで、本当にスッキリしたというか、ああもうやらなくていいんだ、という気持ちが一番強い」と率直な気持ちを明かした。  プロ野球選手としては、酸いも甘いも味わった。「やっぱり2軍にいるっていうことは、つらいですし、逆に言えば、1軍を経験できて、こんなに素晴らしい世界なんだ、というのを経験できたので、そのへんがいい経験になりました」。日本一も経験したソフトバンクでは「勝って当然というか、勝たないといけないというチームでやれたので、大変だったですけど、今思えば本当に、これがプロ野球だなという環境でやらせていただいた」とする一方で、在籍中に優勝を味わえなかったオリックスには「勝てなかったのが本当に申し訳ない。皆、いい仲間。皆、思っていることだと思うんですけど、勝ちたいと思う7年間でした」と唯一の心残りをこぼした。  引退にあたって、ダイエー時代の監督だった現ソフトバンク・王会長からも、ねぎらいの言葉をかけられた。「本当に長い間、よく頑張りました。お疲れさん、という言葉をいただきました。基本を教えていただいた偉大な監督。グランドでは非常に厳しくご指導いただき、ユニホーム脱いだ時は本当に気さくに話しかけていただける方でした」と感謝した。  引退後については「オリックス球団の方から、もう少し力を貸してほしいといわれたので、まだ何かは決まってないんですけど、残していただくので、次の仕事をしっかり頑張りたいと思います」と今後は選手を支える立場で、悲願の優勝を目指すことになる。ポストは2軍バッテリーコーチとなりそうだ。  まだ、この日の引退試合での出場が残っているが、後輩には「本当に勝つということは難しいんですけど、勝てば勝つほどいい生活もできますし、野球選手としての価値も上がると思うので、何とか勝てるように頑張って下さい。僕の力及ばず、すみませんでした」とメッセージ。ファンに向けては「本当に全くいい数字も残せず、歯がゆい思いばかりさせたと思いますが、僕にいただいた声援は本当に忘れられません。これからも、よろしくお願いします」と言葉を贈った。  山崎勝は報徳学園高から2000年ドラフト4位でダイエー(現ソフトバンク)に入団。05年に1軍初出場を果たすと06、07年には100試合以上出場を果たすなど、常勝軍団の一員として活躍し多。13年オフにFA宣言してオリックスへ移籍。今季はここまで、途中出場の1試合のみだった。  この日の試合前までで通算942試合に出場して打率1割9分6厘、4本塁打、112打点。180センチ、88キロ。右投右打。既婚。今季年俸1500万円(推定)。

報知新聞社

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