ウエスタン最終戦を終えてファンにあいさつをするソフトバンク・内川

　今季限りでソフトバンクを退団する内川聖一内野手（３８）が１日、阪神とのウエスタン・リーグ最終戦（タマホーム筑後）に「３番・一塁」で出場。２打数無安打で終え、チームに別れを告げた。主な一問一答は以下の通り。 　（試合後のスピーチ） 　「新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れたり、無観客でシーズンが始まったり、普段とは違うシーズンになりましたが、ファンの皆さんが入ってくださることが、どれだけ選手の力になるか、感じさせていただいたシーズンでした。ご声援のおかげで１軍はリーグ優勝を果たし、２軍はウエスタン・リーグを優勝することができました。これから１軍はクライマックスを突破して日本一を目指しますし、２軍はファーム日本選手権、優勝を目指して頑張っていきたいと思いますので、今後とも熱い声援をよろしくお願いします」 　（拍手が起こる） 　「個人的なことになりますが、今日で僕は福岡ソフトバンクホークスのユニホームを着るのは最後になります。王会長から、ＦＡ宣言をしたときに『そのままの君できてくれたらいい』と、このユニホームを着させていただきました。僕の希望としては、地元・九州の球団で最後を迎えたいという思いでやってきたのですが、それもかなわない状況になってしまいました。まだまだ勝負したいというよりも、今年１打席も１軍でチャンスをもらえなかったということが、自分の中では野球をやめるという決心がつかなかったのが正直なところです。ヒットを打つ喜び、ファンの皆さんに喜んでもらえる喜びというものを、まだこれは続きがあるんだと自分の中で受け止めて。また来年、ユニホームは変わってしまうことになると思いますが、皆さまの前で野球ができるようになればいいなと思っています。個人的には本当に、１０年間、福岡ソフトバンクホークスにお世話になりました。本当にありがとうございました」 　（テレビインタビュー） 　－－ホークスでは今日が最後に 　「何か変わった感情があるかといえば、ないのが正直なところ。終わったなという感じです」 　－－セレモニーで最後だと 　「成長するために、どうするのかも考えさせてもらいましたし。今日ノーヒットに終わったので、余計にやめられなくなったなという気持ちです。やめようかなと思っていたわけじゃないんですけど、まだ自分の中でヒットを打つ喜びだったり、打席に立つ緊張感に続きがあると思えると、ちょっとワクワクします」 　－－２軍戦でも結果を残してきた 　「１軍でやってきたことと違うことをやって結果は出ましたので。自分の中では引き出しを増やしてもらったと思います。例えば１軍で駄目で落ちてきて、同じことをやって結果が出たなら『２軍だから』と自分の中で考える部分もあったのかもしれないですけど。今後、野球をやっていく中で、まだまだワクワクさせてくれるなと自分で思えるようになりました。今年１軍でやって駄目ならいつでも…という気持ちでシーズンに入ったんですけど。残念ながら１打席もチャンスがないということになってしまいましたので。このままでは終わらないというのが正直なところです」 　－－やってきたことを１軍で披露できなかった 　「僕がコントロールできるところではない。それを判断するのは監督、コーチ、首脳陣ですので。『内川を１軍に』とならなかったことに関しては残念だと思います。僕の中ではやるだけのことはやりましたし。これ以上、やることはないので。だからこそ逆に次に向かって進んでいこうかなという気持ちになったのかな」 　－－たくさんのファンが駆けつけた 　「最後にね、僕自身が１０年間ホークスでやったことをファンの皆さんが認めてくれた証しだと思うので。いろんな声がありましたけど、『また帰ってこいよ』とか『まだまだ頑張ってね』という声が聞こえて１０年間やってきてよかったと思いました。きょう一日くらいはホークスで頑張った自分を認めてあげてもいいのかなという気がしていますけど」 　－－今後は 　「レギュラーを取るまでに８年かかった。入団してぱっと華麗に咲いた選手なら、ぱっと華麗に散っていけばいいんでしょうけど。そこにいき着くまでに長い時間を過ごしたので。なるべく長くユニホームを着たいと思いましたし。同年代の選手がやめていくニュースを見たときに、ひとごとではなくなってきたなという気持ちもしましたので。ユニホームを脱ぐときは本当にこれ以上無理だ、これ以上やることないわと思ってユニホームを脱ぎたいなと思うようになりました」 　－－ファンへメッセージを 　「まずは本当に１０年間お世話になりましたというのが一番。ここ何年かはけがしたり結果が出なかったり、ファンの皆さんの期待に応えられないことが続きましたけど。まだまだ僕もこれからの野球人生をさらに充実したものにできるように頑張っていきたいと思っていますので。来年また、違うユニホームを着ている僕を応援してくれたらうれしいと思いますし、まずは違うユニホームでも内川が必要だといってくれる球団が出てきてくれることを祈っています」