JAL、再上場以来初の赤字…過去最悪となる最大2700億円
日本航空(JAL)は30日、2021年3月期連結決算(国際会計基準)の最終利益が過去最悪となる最大2700億円の赤字(前期は534億円の黒字)になる見通しだと発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅客数が激減しているためだ。 最終赤字は12年の再上場以来初めてで、経営破綻を受けて期末決算を公表できなかった10年3月期を除けば、09年3月期(631億円の赤字)以来12期ぶりとなる。赤字幅は2400億~2700億円と見込んだ。売上高は5300億~6000億円と、前期から6割前後も減る見通しだ。 20年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比74・0%減の1947億円、最終利益が1454億円の赤字(前年同期は513億円の黒字)だった。国際線旅客数は4月以降、前年同月比9割減の状態が続いており、赤字の要因となった。 JALは経営立て直しに向け、役員報酬を減額する。常勤取締役と執行役員の計35人を対象に、報酬の約半分を占める業績連動分を21年度にゼロとする。人件費を圧縮するため、グループ社員の他企業への出向を増やす。すでに約500人が出向しているという。 航空業界は感染拡大による業績悪化が深刻で、全日本空輸(ANA)を傘下に持つANAホールディングスは21年3月期に5100億円の最終赤字となる見通しを公表している。海外の航空会社も大幅な人員削減を打ち出すほか、公的支援を受ける動きも相次いでいる。
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