映画「とんかつDJアゲ太郎」初日舞台あいさつに登壇した北村匠海(左)と、話に聞き入る山本舞香
俳優・北村匠海(22)が30日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われた主演映画「とんかつDJアゲ太郎」(監督二宮健)の初日舞台あいさつに出席し、公開を迎えた喜びと、思わぬ形で作品が話題になったことへの複雑な気持ちを吐露した。 【写真】「とんかつDJアゲ太郎」初日舞台あいさつに登壇した山本舞香は、笑顔で手を振る 前日29日に、共演者の伊藤健太郎容疑者(23)が自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで警視庁に逮捕される事件があった。ショックを隠せなかったためか、北村はこの日朝、出演予定だったフジテレビ系「めざましテレビ」を急きょ欠席。舞台上から「今日の朝、急きょ欠席してしまった番組さんにはご迷惑をおかけしました」と謝罪した。 6月公開予定のはずが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期に。くしくもこの日は、クランクアップからちょうど1年の記念日だった。そんな初日を前にしたトラブル。北村は「まずは本当に無事に映画が公開できて…」と声を詰まらせ、「正直、この映画をフラットに見てくれる人がいるのか不安な気持ちがあったり、今日ここに立つことが少し怖かったり、いろんな思いでいる」と、感情の揺れ動きを口にした。 それでも、「映画に登場するキャスト全員に支えられて、アゲ太郎という役を1年前、走り切ることができた。それは今日も同じ。このステージにいる人だったり、今日ここに来られなかった、この映画を一緒に作り上げた人たちによって、ここに2本足で立てている」と、支えに感謝した。 自身はコメディー映画初出演で、「自己暗示的に『北村はやれる』と思いながら」演じたという。中でも浅香航大(28)には、演じるたびに「おもしろかった?」と確認。現場では、加藤諒(30)の底抜けの明るさに救われたことを振り返った。 イベントの最後には、登壇者を代表してあいさつした。「あの…本当に心の底から、ここに立ててうれしいです」。トラブルに見舞われながら、ようやく初日を迎えた大事な主演作。作品にも、北村にも同情の声はあるが、「僕は決して…かわいそうなやつではない。とても幸せ者だと思っています。本当に人に恵まれて、スタッフ、キャストの皆さんに支えられてここに立っています」と時折、涙声になりながらも、おとこ気あふれるメッセージで締めくくった。観客は声援の代わりに会場で配られたタンバリンを盛大に鳴らし、北村にエールを送った。
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