2016年リオデジャネイロ五輪バドミントン女子ダブルス金メダリストの高橋礼華(30)=日本ユニシス=と松友美佐紀(28)=同=が19日、オンラインで記者会見し、高橋の8月末での引退と松友が混合ダブルスを中心に現役を続けることを発表した。 高橋は声を詰まらせながら「(東京オリンピックまで)あと1年、自分の気持ちと体が持つか不安だった。中途半端な気持ちのまま続けたくない」と説明。「本当に悔いはない。幸せな現役生活だった」と振り返った。 東京五輪でのダブルス連覇を集大成に掲げていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で3月以降の国際大会が中止に。五輪出場権を決める対象大会の一部も来年以降となった。出場権圏外の日本勢3番手と厳しい状況で、高橋は「ここでやめたら逃げたと思われるかも」と悩んだが、春先の約2カ月の自粛期間で気持ちを整理した。 「タカマツ」ペアにとって最後の試合となった3月の全英オープン。2人は準々決勝で世界ランキング1位の中国ペアと戦う直前、その後の国際大会が中断されることを知った。「これが最後の試合になるかもしれない」と臨み、最高のプレーで競り勝つことができた。高橋は「最後に本当にやりきれた。(中止となった)9月のジャパン・オープンに最後に出ることも考えたが、今の状況では仕方ない」と受け止めた。 宮城・聖ウルスラ学院英智高在学中の07年にペアを結成。1学年上の高橋は「松友とだからダブルスが楽しいと思えた。コンビネーションは誰にも負けない」と振り返り、松友も「13年間、あっという間だった。先輩には感謝の気持ちしかない」と涙を浮かべながら話した。 引退後について、高橋は「カフェや食に関心がある。バドミントンの観客へ飲食提供の場を作りたい」と新たな夢を明かした。混合ダブルスで世界ランキング19位の松友は「バドミントンが好きでもっともっと強くなりたい。まず、一年一年が勝負」と決意を込めた。【小林悠太】
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